日本語で稼げるのか

 今から40年近く前の話である。
 安手のツアーでハワイに観光に行った。タクシーに乗ったら、気のいいおばちゃんがドライバーだった。五十歳前後だろうか。何と日本語がペラペラだった。
「どこで日本語を学んだのですか」という私の問いに、おばちゃんは気軽に「お客さんと喋って覚えた」という。
 すごく不思議だった。そんな事があるだろうか。私は中学校一年生から英語を勉強していたが、当時は全く喋れなかった。と言ったらある意味嘘で、今でも大して話せない。
 どうやってお客さんと話して覚えたのか聞いたら、何と「日本語を話せると稼ぎが多くなるから自然に覚えた」と言う。心底驚いた。凄えなと思った。時給や日給や年収が絡むと、人の吸収力は抜群になるらしい。
 最近は英語をペラペラ喋る若者が爆増しているように思う。リスニングを大幅に取り入れた入試教育の賜物かもしれない。中学生で英検二級や一級の生徒も珍しくないらしい。しかし私は(何だかなあ)と思ってしまう。
 日本語だけではグッドな収入を得られないのだろうか、と心配してしまう。欧米諸国と日本の収入格差は無論の事、アジア諸国にも負け始めている。良い給料を得るためには、何不自由のない英語が必要な時代になってきた。これを悲しいと感じるのは私だけだろうか。
 日本語を学べば稼ぎにソッコーで繋がる。そんな国力を今から作ってほしいと切に願う。移民を受け入れるか否かを議論する前に、基本的な状況把握を理解した方が良いと思う。

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